日本女性薬剤師会
会長 近藤芳子(由利子)
日本女性薬剤師会は1966年4月、全国の女性薬剤師会が大同団結して「会員の親睦」「女性薬剤師の社会進出」「薬学・薬業の進歩発展への寄与」を目的に設立された。
我が国では、長年、「男性は社会、女性は家庭」の役割分担による男性主導社会により、男女平等の職能発揮や、指導的地位、役職への進出が難しかった時代に、女性のライフサイクル(出産・育児・家事・介護等)による就業中断や、離職後の復職に多くの問題を抱える女性薬剤師のために、職業人として、男女がともに活動できることを第一義として設立されたものであり、今でいう男女共同参画精神そのものであったと思われる。
近年の急速に進行する少子高齢化や、激変する経済・社会情勢を背景に、薬剤師を取り巻く環境も大きく変貌し、医薬分業の進展、医療の高度化・複雑化、さらに薬学教育6年制の実施、医療法・薬事法の改正等により、国民の安心・安全を守る医療における薬剤師の果たす責務は極めて重いものがある。
とくに、薬剤師の6割超を占める女性薬剤師の行動力が薬剤師の評価を左右すると考えられ、女性薬剤師のレベルアップが薬剤師全体のレベルアップに繋がるという信念の基に、研修活動を積極的に展開するとともに、未就業薬剤師を支援することを最重要課題として取り組んでいる。
今後は、国の施策を見据えつつ、また所属関連団体、学会等の連携を図り、基本的事項の推進に努めながら、女性の視点で据えた事業を遂行し、“医薬品のあるところに女性薬剤師あり”との理念の基に、知性と活力に満ちた“行動する女性薬剤師”の養成を目指したい。