会長挨拶

日本女性薬剤師会 会長 近藤芳子(由利子)

一般社団法人 日本女性薬剤師会
会 長  小縣 悦子

 日本女性薬剤師会は、1966年 故秋島ミヨ先生により組織化されました。女性が働きづらかった時代に、女性が多い薬剤師の仲間が集い、出産・子育て・家事・介護等、働く女性が抱えている諸問題を解決し、支援するための施策や環境整備、医薬分業の推進、薬剤師職能の正しい評価・発展に政治力が不可欠であることを訴えました。

  その後、2004年 秋島ミヨ先生のご逝去に伴い、近藤芳子先生が第2代会長を引き継ぎ、昨年、その天寿を全うされました。この間、私たちは、薬剤師として時代の変化をスピーディーに読み取り、国の施策はもとより、会員相互の連携と協調に努めてまいりました。

  日本女性薬剤師会では、2003年 在宅医療が推進され、薬剤師との関わりの必要性を受け止め、他団体のどこよりも早く、秋田県女性薬剤師会の協力を得て「保健・医療・福祉のかけはしになろう」をメインテーマに第1回移動セミナーを開催しました。2004年からは、学術講演会を開催し、2005年には、卒後教育や休職中の薬剤師の知識の補完のために通信教育講座を開講しました。その後も時代の先を行くテーマを掲げて活動を継続し、今日に至ります。

  ブロック大会も1966年から学術事業のひとつとして継承され、長く続く日本女性薬剤師会の地域活動です。ブロック研修会に伴って行われる懇親会では会員相互の交流と親睦が図られ、情報交換により、女性薬剤師の団結を図る重要な機会になっていると思います。

  また、日本女性薬剤師会は、2008年 有限責任中間法人を経て、初代会長の時からの悲願であった「一般社団法人日本女性薬剤師会」へ移行しました。「会員相互の連携のもとに女性薬剤師の社会的地位の向上を図り、国民の保健・医療および福祉の向上発展に寄与する」ことを設立目的で定めたものです。働く女性薬剤師の支援体制整備を国や地方自治体、大学などと連携して様々な事業において実施しています。

  その後、2012年12月14日付けで薬剤師認定制度認証機構のプロバイダー(G16)となり、薬剤師に対し、生涯学習を推進して薬剤師の資質及び専門性の向上に寄与し、わが国の医療環境の向上と国民の健康の確保に貢献する立場となりました。

  薬剤師の医療における役割と薬剤師への期待は、年々、多岐に渡ってきています。地域によりその特徴は様々ですが、日本女性薬剤師会は、職能団体であり、私たち薬剤師自身の地位の向上を目指しながら、地域包括システムの中で他職種と連携してより信頼され期待される仕事を担うことができる薬剤師の育成を目指しています。6年制の薬学部を卒業された方々の活躍も顕著になってきました。若い力もいただきながら、引き続き、女性ならではのきめ細やかな気配りと優しさをもって、患者と患者家族に寄り添った薬剤師として、地域の方々の期待に応えられるよう、日本女性薬剤師会の仲間と一緒に研鑽を積んでいただきたいと思います。

  諸先輩方の遺志を深く心に刻み、皆様からのご指導ご鞭撻をお願いして関連団体と連携してまいります。引き続き日本女性薬剤師会の会務にご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

令和7年2月

ページのTOP